スズキジムニーのエアコンが冷えない症状
車検で入庫した平成11年スズキジムニーJB23Wです。走行距離は約125000キロになります。
暑くなってきたのでエアコンを使ったところ、冷たい風が出てこなかったそうです。ガソリンスタンドで見てもらったコンプレッサーが故障していると言われたそうです。
実際に点検していきます。
室内のエアコンスイッチやレバーなどは問題なさそうです。
エアコンコンプレッサーの駆動ベルトは異常なし。マグネットクラッチも問題なくつながってます。
ラジエーターファンも勢いよく回っています。
ゲージマニホールドをつなげて冷媒ガスの圧力を確認します。
上の写真はエアコンスイッチがオフの状態です。冷媒ガスはそれなりに入っているようです。
これがエアコンスイッチをオンにした状態です。低圧(黄色)も高圧(赤色)もまったく変化がありません。
おそらくエアコンコンプレッサー内部で何か不具合が起こっていると思われます。
エアコンコンプレッサーを分解して点検してみます。
後ろのフタを開けてみました。ベーンタイプのコンプレッサーです。
本当ならベーンという板が遠心力で飛び出ているはずなのですが内側に収まってます。
マイナスドライバーで押し出さないといけないくらい、かたく食い込んでいました。
ベーン表面のメッキが剥がれてボロボロになっていました。これではスムーズに動きません。エアコンガスのクリーニングは定期的にガソリンスタンドさんで施工していたみたいなので、単純にコンプレッサーの寿命だったのかもしれません。
原因がわかったので修理に取り掛かります。
エアコンコンプレッサーは中古品を使用します。
レシーバータンクと配管接続部のOリングは新品を使用します。エキスパンションバルブ(略 エキパン)は諸事情によりクリーニングして再使用します。
ゴミや水分が残っていると再度故障の原因になりますので、配管内は出来る限りクリーニングします。
これがエキパンです。圧縮したガスをここで「シュ~」っとスプレーすることで、エバポレーターという部分を冷やします。
車両に取り付けたところ。細い方から高圧ガスが入って、「シュ~」っとした後の低圧ガスが太い方から戻ってきます。
エキパンにパイプを接続。傷が付かないように慎重に。
新品のレシーバータンクも取り付けます。これは圧縮して液体になった冷媒ガスを一時的にためるところです。
中古のコンプレッサーも取り付け、駆動ベルトを取り付け・調整してから配管内を真空にします。
真空引きが完了したら、冷媒ガスとオイルを適量充填します。規定量は550g±50。
この日は気温20度くらい。高圧側はもうちょっと上がってほしいところでしたが、エアコンの冷えは十分でした。これで作業は完了です。
今回の原因はエアコンコンプレッサー内にあるベーンという部品が焼き付いたことによるものでした。
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ブログ担当の山下でした。
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