スズキセルボ(HG21S)のロアアームガタ
平成19年登録のスズキセルボ(HG21S)、走行距離は97502km。
平成29年末に実施されたスズキ愛車無料点検のために入庫した車両です。

点検したところ、車両フロント側のロアアームという部品にガタがありました。
左右ともガタガタです。


正確には、ロアボールジョイントという部分にガタが出ていました。
ロアボールジョイントにガタがあると車検に通りません。このまま乗り続けるとボールジョイントが抜けてしまう危険性があるからです。
ボールジョイントとロアアームは一体になったものなので、ロアアーム丸ごと新品に交換します。

まず、ロアメンバーという部品が邪魔なので外します。ボルト2本で取り付けてあります。



続いてロアアームを外します。支点のボルト2カ所、ロアボールジョイントのボルト1本とスタビライザーという部品のリンク部(接合部)を外して取り外します。

外れたロアアームです。

外したロアアームのボールジョイントブーツを取ってみると、中には水分とサビが混ざったヘドロのようなものが入っていました。
ゴム製のブーツが古くなったため、隙間から水分が入ったようです。

中は摩耗してボロボロです。

ん~?

あっ!抜けました。ギリギリだったようです。恐ろしい・・・。
ここで並行してリコール作業を実施します。
内容は
フロントサスペンションフレームの製造が不適切なため、塩水等の腐食促進物質によってサスペンションフレームのロアアーム取付ブラケットが腐食することがあります。そのため、そのままの状態で使用を続けると、腐食が進行し、ロアアーム取付ブラケットが破損して、最悪の場合、ロアアームが脱落して走行不能となるおそれがあります。
全車両、サスペンションフレームの点検を行い、腐食が認められる場合は、サスペンションフレームを良品と交換します。腐食が認められない場合は、サスペンションフレームのロアアーム取付ブラケット部に防錆剤を塗布します。
というものです。

サビは少し浮いていましたが、交換の判定まではいかない状態でした。サビを落として塗装します。

支給された錆止め塗装。なかなか高級なものです。


左右ともしっかりと塗装します。これでリコールは完了です。

本題に戻ります。
取り付けるロアアームは社外品の新品です。

ロアアームを取り付けます。ここではまだロアメンバーは取り付けません。
タイヤを取り付けて、車両をリフトからおろします。

車両をおろした状態でロアアームの支点ボルトを本締めします。

ロアメンバーを取り付けます。

最後にサイドスリップ調整とハンドルセンター合せを同時に行います。

タイロッドの長さを調整していきます。

調整と試乗を数回繰り返して、サイドスリップ量をゼロに合わせました。写真はありませんがハンドル位置もセンターにきました。
以上で作業工程終了です。
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ブログ担当の山下でした。
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