ダイハツアトレー(S330G)の燃料ポンプ交換

平成17年登録のダイハツアトレーワゴンS330Gです。
出先で調子が悪くなったとのことで、キャリアカーでの引き上げをしました。

お客様にどういう状態か問診をしたところ、交差点での発進時に車が前に進まなくなるという症状でした。
気温が高いとき長時間走行すると症状が出るらしく、去年の夏にも症状が出ていたようです。

まずは実際に走行して症状を確認します。
やはりすぐには症状が出ず、1時間くらいエンジンをかけたままにしているとやっと不具合が発生しました。
具体的な症状はアクセルを踏んだ時、エンジンの回転がスムーズに上がらない感じです。
ダイアグノーシスには何も記録は無く、エンジンの各センサーの信号にも大きなズレは確認出来ませんでした。

発進時に「パンパン」とアフターファイヤーのような破裂音がするので、おそらく燃料が薄い状態ではないかと判断して燃圧を点検します。

アトレー 燃料ポンプ交換

運転席をめくったところです。燃料ホースの場所の一例です。

アトレー 燃料ポンプ交換

簡易的な点検方法ですが、燃料ホースを指でつまんでホースの「張り」を確認します。
数秒間隔で燃料ホースの「張り」がなくなる感覚があります。ホースの「張り」がない時にアクセルを踏んでもエンジンがふけ上がりません。
燃料ポンプ辺りに何か不具合がありそうです。

アトレー 燃料ポンプ交換

燃料ポンプの配線図です。エンジンコンピューターのバッテリー電源からEFIメインリレー、フューエル(燃料)ポンプリレーを通って燃料ポンプに入ります。
001番のコネクターまで電圧がかかっているか確認します。

アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換

配線色は赤色。サーキットテスターで電圧を点検します。
25ボルトレンジなので、13.8ボルトの電圧がかかっています。燃圧が下がった時も13.8ボルト変わらずなので電源の異常ではなさそう。

燃料タンクを降ろして、燃料ポンプ本体の点検を行います。

アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換

燃料の注入口パイプ・ブリーザー(エア抜き)パイプ・燃料パイプ・蒸発ガス抜きホース・電源コネクターの5か所を外し、燃料タンクの取付ボルト4本を外してタンクを降ろします。

続いて燃料ポンプを外します。

ホース2本と配線を燃料ポンプから外し、ボルト8本を外して燃料ポンプを取り出します。

アトレー 燃料ポンプ交換
アトレー 燃料ポンプ交換

フィルターが真っ黒です。目詰まりして燃料を吸い上げることが出来なかったように思われます。
燃料ポンプも長期にわたって負荷がかかっていたと思われるので、丸ごと中古品と交換することにしました。

アトレー 燃料ポンプ交換

中古品の燃料ポンプです。フィルターが少し汚れていましたので、エアでゴミを吹き飛ばしておきます。

逆の手順で組み立てて、不具合が起きるか再度点検します。

長時間エンジンをかけておいても、症状が出なくなりました。
燃料ホースにも「張り」がしっかりあります。

最後に燃料が漏れていないか確認します。大丈夫なので作業完了です。

今回の不具合は燃料ポンプのフィルターが目詰まりしたことで、ガソリンの供給が不足したことが原因でした。
暑い日に症状がよく出たのは、クーラーの使用でガソリンの瞬間的な消費量が多くなったためだと思われます。
エンジン停止でフィルターからゴミが少し落ちる→エンジン始動で落ちたゴミがフィルターに張り付く、を繰り返していたと考えられます。

以上、アトレーワゴンの燃料ポンプ交換でした。

閲覧ありがとうございました。よろしければ他のスタッフブログもご覧いただければ幸いです。
ブログ担当の山下でした。

グーネットピット始めました。是非ご利用下さい。

↓こちらから↓

HOMEへもどる

ダイハツアトレー(S330G)の燃料ポンプ交換”へ3件のコメント

  1. 青木千奈美 より:

    はじめまして中古車購入3ヶ月目になります。
    車種アトレーワゴン21年式現在約10600キロ
    走ってます。
    そこで質問なのですがエンジン始動、停止、
    アイドリング、エンジン音と混じってヒューって表現した方が近いかもですが音がでます。
    購入先で見てもらいましたが、おそらく燃料タンクのポンプの音ですね。と
    整備士いわく、標準の枠の音ですと話されました。
    一回気に出すと音が目立って酷くかんじますが
    アクセル踏んでからの回転数とかを見てると、異常ではありません。と言われ私的には、購入時はそんな音も出てませんでした。
    その事を話すとポンプの修理しても多分その音は消えませんと突き放してきます。
    整備士さんの言う通り正常範囲内でしょうか?
    購入したばかりで修理なんて残念でたまりません。
    お返事お待ちしております

  2. yamashita より:

    青木様コメントありがとうございます。
    音が気になるということですが、私どもも実際に車両を診ないと判断しづらいところがあります。
    少し点検料はかかると思いますが、お近くの大きなディーラーさんなど技術の高いお店に診てもらって安心された方が良いかと思います。
    もちろん弊社のお近くでしたらお気軽に立ち寄り下さい。

  3. 木村雄二 より:

    はじめまして、こんばんは
    突然すみません。
    走行距離20万キロのハイゼットカーゴに
    乗っております。
    色々、ググってたどり着いたので質問させていただきたいと思います。
    ある日、突然セルが回るけどエンジンがかからない症状がでました。
    ググると燃料ポンプの不良の可能性があるようなので、確認すると確かにキーONでウィーンという音がしていないことに気付きました。
    ヤフオクで動作確認済の中古を購入後、ネット情報を参考に交換しました。
    ポンプ作動音はするようになったのですが、エンジンがかかりません。
    こちらの情報のように、交換後も燃料ホースのハリは感じられませんでした。
    外した通りに戻したんですが、
    組み付け方に問題があったのでしょうか?
    あったとすればどこが疑われますか?
    差し支えなければアドバイスお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です