ワゴンR(MH22S)のエンジン載せ替え
平成19年登録のスズキワゴンR(MH22S)の修理です。走行距離は95833km。
事の初めは、オイルの警告灯が点灯したということでした。ただ、夜遅かったためにそのまま走行して自宅に帰ったそうです。
翌日、エンジンオイルを入れてエンジンを始動したら、ものすごい異音がするようになったとのことです。
実際、浅井自動車に入庫した際も「カン!カン!カン!」と誰もが振り向くような異音がしていました。
状況から判断して、間違いなくエンジン内部が故障していると思われます。お客様と、どのように修理するかお話した結果、中古のエンジンを載せ替えることで決まりました。
では、作業工程を簡単に紹介します。
まずはエンジンオイルとエンジン冷却水を抜き取ります。
バッテリーとバッテリーケースを取り外します。
エンジンに空気を取り入れる、エアインテークダクトを外します。
チャコールキャニスターという部品も同時に外してます。(写真を撮り忘れました)
エンジンからラジエターに冷却水が流れるホース、ラジエターアッパーホースを外します。
室内のヒーターに冷却水を流すホース、ヒーターホースの入口・出口2本を外します。
シフトケーブルの先端をトランスミッションから外します。
そのあと、白い樹脂製のピンをケーブルの支持部から抜き取ります。
筒状の部分を回すと隙間が開くので、シフトケーブルを支持部から引き抜きます。これでシフトケーブルの切り離し完了。
エンジンコンピューターとリレーボックスからコネクターを外します。
バッテリーのプラスターミナルの根本から、コネクターを3カ所外します。
ガソリンが通ってるホース、フューエルホースを外します。
少し内圧がかかっているので、ウエスを巻いてゆっくり外します。外したホースとパイプには仮フタを被せます。
スロットルからアクセルワイヤーを外します。
インテークマニホールドから、ブレーキブースターへつながるバキュームホースを外します。
フロントグリル・フロントバンパーを外します。
エキゾーストマニホールドにつながるアース線を外します。
エアコンのコンプレッサーをエンジンから外します。支点のボルト2本と上部固定用のボルト1本、マグネットクラッチのコネクター1個です。
支点のボルトが1本折れました。よく錆びつくことが多い場所です。
折れたボルトの頭を平らに削ります。
ボルトの中心にドリルで穴をあけます。2mmのキリを使用しました。
徐々に穴を広げます。4.5mmのキリを使用。
6.5mmの穴をあけて、ボルトの残りカスを取り除きます。
M8のピッチ1.25のタップをかければ元通りです。
ラジエターからエンジンに冷却水が流れるホース、ラジエターロアホースを外します。
ラジエターを支えるステーを2枚外して、ラジエターを下へ引き抜きます。電動ファンのコネクターも1カ所外します。
ハブのセンターナットを外して、ロアアームのボールジョイントを切り離し、ドライブシャフトをハブから引き抜きます。
左右とも同様の作業です。
正式名称がわからないのですが、フレームとメンバーをつなぐ補強バーを左右とも取り外します。
マフラーパイプを取り外します。
エンジンとミッション下の補強プレートを2枚外します。
エンジンとミッションのカタマリを支えているマウントは3カ所あります。まず後方のマウントのボルトを抜いておきます。
台車をエンジン下に入れて、右側のエンジンマウントを外します。
左側のマウントも同様に外します。
エンジン下のマウントステーを外します。
エンジンを引き抜く時にエキゾーストマニホールドがつっかえてしまったので外しました。
車体をリフトで上げれば、エンジンだけが残ります。
発電機とスターターを取り外します。
スターターを外した穴から、トルクコンバーターとドライブプレートをつなげるボルト3本を外します。
この後、エンジンにつながっている配線やホース類を外します。
エンジンとトランスミッションをつなげているボルトを外して、エンジンとトランスミッションを分離します。
台車の上にのこったトランスミッションです。
届いた中古のエンジンです。
エンジンコンピューターとの相性があるので、スロットルボディーは元のエンジンのものに付け替えます。
中古エンジンとトランスミッションを合体させて、外したものを取り付けます。
あとは逆の手順で車両にエンジンを取り付けます。
エンジンオイル・冷却水を注入します。オイルフィルターは新品に交換しました。
試乗して問題が無かったので、これで作業は終了です。
ワゴンrmh22sの故障したエンジン内<こちらはおまけ記事になります。
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ブログ担当の山下でした。
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